トドマツ人工林主伐時における上層木の保残が下層植生に及ぼす影響

DOI
  • 明石 信廣
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場道北支場
  • 新田 紀敏
    北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of retention of overstory trees at the harvesting of planted <i>Abies sachalinensis</i> forests on understory vegetation

抄録

<p>保持林業(保残伐施業)が下層植生に及ぼす影響を検討するには、伐採による撹乱に加え、地拵え、植栽、下刈りなどの管理の影響も考慮する必要がある。そこで、北海道有林空知管理区において実施している「トドマツ人工林における保残伐施業の実証実験(略称:REFRESH)」において、伐採前年から伐採6年後までの下層植生を調査した。密度の異なる3段階の単木保残区、60m四方の群状保残区、皆伐区などが設定されている。伐採された調査区では、単木保残の有無に関わらず、伐採後に遷移初期種が多く侵入して群集の組成は大きく変化した。NMDSによる序列は伐採によって平行に移動し、伐採前植生の影響が強いこと示していた。変化の方向は伐採3年後から6年後に反転しつつある。群状保残された部分では、上層木が風倒によって失われた調査区でも変化が小さく、伐採地の中で森林性種の避難場所になることが期待された。伐採前にあった種は保残木のある調査区や傾斜の急な調査区で伐採後まで残る確率が高く、これらの場所で機械作業が困難であった結果、地表の撹乱が緩和されたためであると考えられる。伐採、地拵えの期間とその後の下刈りの期間では種に対する影響は異なっていた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975280768
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_47
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ