海浜におけるケヤキ植栽の生残と環境の関係

DOI
  • 萩野 裕章
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所
  • 太田 敬之
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林植生研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between survival and environment of <i>Zelkova serrata</i> planting on the beach

抄録

<p>海浜の広葉樹植栽には、環境緩和が必要である。本研究では先行植栽されたクロマツ防風効果と落葉が、後から植栽した広葉樹生残に与えた効果について報告する。青森県三沢市の津波災害跡地で静砂垣内にクロマツと広葉樹が2012年に混植された。クロマツは成長しているが広葉樹は枯死または生残しても静砂垣を超える個体が少ない。著者は別途クロマツ間のギャップに苗高30cm程度のケヤキを植栽したらほとんどが枯死し、夏場の大きな地温上昇が影響を与えた可能性を報告した。そこで2022年春に同程度のケヤキを静砂垣内のギャップ形状が異なる5区で1区画5本植栽し、秋に生残を評価した。土壌改良材として各植穴にバーク堆肥、鹿沼土、ピートモス、腐葉土を砂と同量混ぜ、コントロールは苗木根元を3cm程度厚さで周囲のクロマツ落葉を集めて覆った。生残判明後に5区の開空度を測定した。開空度50%以下の3つの区は5本とも生き残り、52%区はバーク堆肥1本が枯死、68%区は鹿沼土、ピートモス、バーク堆肥の3本が枯死したがコントロールは全て生き残った。クロマツの存在は開空度に影響を与え、落葉マルチ効果は地表温度上昇を抑えてそれぞれケヤキ生残に貢献したことが示唆された。</p>

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キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975335296
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_532
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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