降雨のリターンピリオドの空間分布が崩壊の密度と面積に及ぼす影響

  • 經隆 悠
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域
  • Mtibaa Slim
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域

書誌事項

タイトル別名
  • Reveal the relation between spatial patterns of rainfall return levels and landslide density

説明

<p>豪雨の襲来時には,安全な避難経路の確保や効率的な避難指示のために,地域毎に発生し得る斜面崩壊の密度や規模を推定することが重要である。本研究では,平成29年九州北部豪雨により崩壊が多発した福岡県朝倉市を対象として,レーダー雨量データから求まる各グリッドセルの降雨のリターンピリオドと,崩壊の密度や面積を比較することで,地点毎の降雨の稀さが,発生する崩壊の特徴を推定するための指標となり得るかを調べた。その結果,崩壊密度が約7%以下と低いセルでは,3~24時間雨量など一部の時間幅でのみ降雨が100年に一度のレベルに達していたのに対し,崩壊密度が10%を超えるような,高密度に崩壊が発生したセルでは,1時間雨量~72時間雨量までのより広い時間幅で,降雨が100年に一度のレベルに達していたことがわかった。さらに,後者のより広い時間幅で100年に一度のレベルの降雨に達したセルでは,面積が大きな崩壊の密度も相対的に高かった。これらの結果は,降雨強度が数時間から数日の広い時間幅で滅多に経験しないレベルに達するかどうかが,崩壊の空間分布と関連する災害の程度の決定要因のひとつとなることを意味する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975336704
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_526
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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