作業道の路盤強化における木灰の活用

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タイトル別名
  • Ground strengthening of strip road using wood ash

抄録

<p>我が国では木質バイオマス発電の廃棄物である木灰の処理方法が課題になっている。一方,森林施業では森林作業道が多く作設され,その路盤強化が問題となっている。道路の路盤強化では,石灰の吸水性と化学反応を利用した石灰安定処理が行われている。そこで,本研究では木灰の路盤強化剤としての活用可能性を検討した。実験には東京農業大学奥多摩演習林内の土とスギの木灰を用い,土質試験,木灰の定量分析,木灰混合土(0,2.5,5,10%)の含水比試験,一軸圧縮試験,塑性・液性限界試験を行った。</p><p>その結果,スギの木灰には,石灰安定処理において重要な酸化カルシウムが80.4%含まれていた。また,木灰混合比を増大させることにより土の含水比が3~4%低下した。一軸圧縮試験では,木灰2.5%で圧縮強度が低下し,木灰0%と比べて約37%の低下となった。木灰5%,10%では,有意差は見られなかったものの,増加傾向が見られた。長期的に養生することによる効果は,含水比変化,圧縮強度のどちらにおいても見られず,塑性指数に対する影響も見られなかった。以上のことから,現場施工において,木灰を使った含水比調整による路盤安定化が比較的短期間で期待できる。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975344512
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_557
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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