都市緑地における3年間のナラ枯れ被害の空間動態

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タイトル別名
  • Spatial dynamics of Japanese oak wilt over 3 years in urban green spaces

抄録

<p>関東地方では、2019年に東京都でナラ枯れ被害が確認され問題となっている。しかし、都市の分断化された緑地帯でのナラ枯れ被害に着目した研究事例は少なく、被害対策を迅速に行うためにも、ナラ枯れの初期被害状況と空間動態を把握することが求められる。本研究では、東京都八王子市・府中市・三鷹市・国分寺市内の8地点の緑地帯でナラ枯れ調査を実施した。2020年~2022年の8月~12月に、コナラを対象に毎木調査を行い、各コナラ個体の胸高直径、カシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)の加害度(フラス排出孔数)、ナラ枯れ被害度(萎凋症状の有無)、位置情報を記録した。調査期間の中で、カシナガ加害を受けたコナラ個体数は、2021年で最も多く、2022年には減少した。各緑地における3年間の合計カシナガ加害率は75.9%~95.9%と高い数値となった。前年にカシナガ加害を受けた個体は、次年の加害を受けにくい傾向がみられ、ナラ枯れによる枯死被害は、前年までに一度もカシナガに加害されていない当年加害のコナラ個体で多数発生した。また、周囲に生存木が多いとカシナガ加害が多く、前年加害木、伐採木が周囲にあると加害が少ないことが示された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975375104
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_607
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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