林冠ギャップにおける光環境の不均質性が更新木の多様性に及ぼす影響

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of light environment heterogeneity in forest canopy gaps on the diversity of regeneration trees.

抄録

<p> 沖縄島北部やんばる地域において,台風撹乱で形成された林冠ギャップを含む樹齢80年生の亜熱帯常緑広葉樹林を調査対象とした。研究目的は,照射される太陽光が森林内の垂直(階層構造)方向と水平(空間構造)方向の光環境に時間的・空間的な不均一性を生じさせることでそれぞれの更新樹種の生育段階ごとの「成長」・「繁殖」・「生存」を制御する実態を現地調査により詳細に評価・検証することである。調査方法は,林冠ギャップを含む等高線方向20m×斜面上下方向30mの調査林分内の水平方向に2m間隔,垂直方向に地上2mから高さ13mまでの1m間隔の地点で小型メモリー光量子センサーを用いて林内の相対日射量を計測した。同時に更新樹種別の3成長期における成長量,死亡率,生存率,新規加入率を計測した。その結果,生育段階ごとの更新樹種に成長率,繁殖(新規加入率),生存(死亡率)にトレードオフの関係性がみられ,生活史戦略の異なる多樹種が多本数で共存する多種共存機構のいくつかの仮説検証ができた。さらに,相対日射量のレンジの違いにより,いくつかの更新樹種では成長,繁殖,生存に最適な光環境の最適域,いわゆる樹種特性としてのニッチが判明した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296265975400320
  • DOI
    10.11519/jfsc.134.0_663
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ