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- 冨山 道夫
- とみやま医院
書誌事項
- タイトル別名
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- Relationship between the Frequency of Detection of Drug-Resistant <i>Streptcoccus pneumoniae</i> and Factors Related to Group Child Care and Age Range in Pediatric Acute Otitis Media Patients
- ―Comparison between before and after the Introduction of the Pneumococcal Conjugate 2 vaccines, PCV7 and PCV13―
- ―肺炎球菌結合型ワクチン導入前後の比較―
抄録
<p> 2000年以降の薬剤耐性肺炎球菌 (drug-resistant Streptcoccus pneumoniae: DRSP) による難治性小児急性中耳炎 (AOM) 症例の増加に対する対策として, まず2002年に小児急性上気道感染症に対する第1選択薬をぺニシリン系抗菌薬 (PCs) とすることが提唱された. 次に2010年に7価肺炎球菌結合型ワクチン (7-valent pneumococcal conjugate vaccine: PCV7), 2013年に13価肺炎球菌結合型ワクチン (13-valent pneumococcal conjugate vaccine: PCV13) が導入された. その後 AOM 症例, AOM における S. pneumoniae 検出例, DRSP 検出例, 鼓膜切開を要する重症 AOM 症例の減少が報告されている. 一方集団保育を受けている, かつ/または, 同一の家屋に居住していて集団保育を受けている兄弟姉妹がいること (集団保育児因子), 2歳未満であること (年齢因子) は, DRSP 検出の背景因子とされているが, この背景因子の推移に関する報告は少ない. そこで今回は S. pneumoniae が検出された AOM 症例のうち, PCV 導入前の2005~2009年 (Ⅰ期) 794名, 導入後の2016~2020年 (Ⅱ期) 382名を対象として, DRSP 検出頻度, 背景因子について後方視的に検討した. DRSP 検出頻度に関与する当院および周辺の医療機関の小児上気道感染症に対する第1選択薬は, Ⅰ期, Ⅱ期を通じて PCs であった. Ⅱ期に DRSP 検出頻度が有意に低下し, 集団保育児因子と年齢因子の有無と DRSP 検出頻度に有意差が見られなくなった. 小児科領域の調査でも同様の結果が報告されており, PCV の効果が示唆された.</p>
収録刊行物
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- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報
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日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 126 (5), 711-721, 2023-05-20
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390296288045750528
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- ISSN
- 24365866
- 24365793
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可