繰り返す低カリウム血症から診断された多腺性自己免疫症候群3A型の1例

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  • Autoimmune polyglandular syndrome type 3A diagnosed by repeated hypokalemia

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抄録

30代男性。四肢脱力と筋痛のために救急搬送された。既往に低カリウム血症があり1年間に3度の救急搬送歴があった。来院当日も高度の低カリウム血症があり,カリウム製剤の静注により脱力と筋痛は改善した。低カリウム血症の原因を精査したところ,自己免疫性多内分泌腺症候群(Autoimmune polyglandular syndrome:APS)3A型による甲状腺機能亢進症と判明した。APSは自己免疫疾患により内分泌腺を含む複数組織が機能障害を起こす一連の症候群であり,Addison病を合併せず,自己免疫性甲状腺疾患に1型糖尿病などを伴うものは3A型と分類される。APS3A型は糖尿病性ケトアシドーシスなどを機に診断した報告がみられるが,本症例のように低カリウム血症からも発症しうることが判明し,診断上注意を要すると考えられる。また,甲状腺機能異常症に糖尿病の合併を認めた場合には,APSに合併したSPIDDM も鑑別疾患として考慮すべきである。

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