非肝硬変性門脈大循環シャントによる肝性脳症を併発した上行結腸癌の1例

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タイトル別名
  • A Case Report of Ascending Colon Cancer that Coexisted with Noncirrhotic Portal-systemic Encephalopathy
  • ヒカンコウヘンセイ モンミャク ダイ ジュンカン シャント ニ ヨル カンセイ ノウショウ オ ヘイハツ シタ ジョウギョウ ケッチョウ ガン ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は80歳,女性.労作時呼吸困難を主訴に受診した.貧血を認め,精査中に意識障害を発症した.精査の結果,上行結腸癌および上腸間膜静脈と右卵巣静脈を介した非肝硬変性の門脈大循環シャントによる肝性脳症と診断した.意識障害を発症していたことから周術期リスクを低減するため,結腸切除に先立って門脈大循環シャントに対する治療介入が必要と考えられた.シャント血管は上行結腸癌の郭清範囲に近接した部位に存在しており,術前にバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)によるコイル塞栓術を行った.その後,上行結腸癌に対して開腹結腸右半切除術を施行し,良好な経過を得た.癌に併存する門脈大循環シャントに対しては,症状の有無,シャントの局在や形態,腫瘍の部位を考慮して治療方針を検討することが肝要であると考えられた.</p>

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参考文献 (17)*注記

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