同族会社の行為計算否認規定と否認基準に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Study on Act Calculation Denial Regulation of a Family Corporation and a Denial Standard
  • ドウゾク ガイシャ ノ コウイ ケイサン ヒニン キテイ ト ヒニン キジュン ニ カンスル ケンキュウ

この論文をさがす

抄録

税負担の軽減または排除はその行為により、節税行為・租税逋脱行為・租税回避行為の3つに分類され、本論文において、租税回避行為の否認規定である同族会社の行為計算否認規定について考察を行ったものである。  同族会社の行為計算否認規定における法解釈について、現在まで多くの研究・検討が行われているが問題点が全て解明されているわけではないように思われる。  まず同族会社とはどのような会社であるのかを確認し、同族会社の行為計算否認規定の内容と行為計算否認規定の創設の経緯を探り、次に同族会社の行為計算否認規定の適用要件と適用範囲についての検討を行った。そして、同族会社の行為計算の否認規定に関する裁判の事例を取上げ、同族会社の行為計算否認規定の問題点を明らかにし、今後の課題についての考察を行った。  そもそも税に関する法律において、税務署長による行為計算の否認規定を定めているが、どのような行為又は計算が同族会社の行為計算否認規定の適用を受け否認されるものであるのかを判断するための基準が法律に明文で規定されていないように思われる。課税に関する重要部分は法律で定めなければならないとするのが租税法律主義という憲法上の原則であるならば、それはいささか問題があるのではないか。また、税理士等の実務の面でも、要件の不明確性は混乱をもたらす可能性があることを否定できない。ということから、税法に定める行為計算否認規定について、基礎的な部分から検討を行い、そこでの問題点を明らかにし、関連する裁判例を検討し、問題解決の方向性を模索してみようとするものである。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ