BMIと体組成との相関について-第2報-

DOI
  • 井上 和久
    公立大学法人 埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科 公立大学法人 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科
  • 小野塚 雄一
    公立大学法人 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科 医療法人眞幸会 草加松原リハビリテーション病院
  • 丸岡 弘
    公立大学法人 埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科 公立大学法人 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科
  • 原 和彦
    公立大学法人 埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科 公立大学法人 埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科

抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>BMI(Body Mass Index)が体脂肪量について加味されていない指標である。そこで、本研究ではBMIと体脂肪量の関連とともに性差による影響を検討した。また、トレーニングの有無についてもBMIと体組成とで関連があるかについて明確にすることを目的に実施した。</p><p>【方法】</p><p>対象は、神経学的および整形外科的な疾患の既往等に問題のない18歳以上の健常学生50名(女性32名:今回10名追加、男性18名:今回1名追加、年齢20.3±0.8歳)とした。使用機器は、ボディーコンポジションアナライザー(InBody770)、血圧計、全自動身長体重計(BSM370)を使用。測定方法は、予め疾患の有無・既往歴など確認し、血圧に問題ないことを確認後、全自動身長体重計にて身長を測定。次にボディーコンポジションアナライザーにて体組成(BMI、体脂肪量、体脂肪率、細胞内水分量、細胞外水分量、骨格筋量、基礎代謝量、内臓脂肪断面積、骨ミネラル量、体細胞量)の測定(60秒間静止立位を保持)を行った。なお、女性・男性および週1回以上トレーニング(内容問わず)の有無によって群分けを行った。統計処理は、IBM SPSS Statistics Ver.27を使用し、Spearmanの順位相関係数を用いて分析した(有意水準危険率5%)。</p><p>【結果】</p><p>BMIと女性・男性ともに全てのパラメータにおいて有意に相関(p<0.01)が認められた。女性のパラメータでは、体脂肪量(r s =0.798)のみに強い相関(p<0.01)が認められ、男性は体脂肪量(rs=0.743)・細胞内水分量(rs=0.746)・細胞外水分量(rs=0.723)・骨格筋量(r s =0.748)・基礎代謝量(r s =0.74)・骨ミネラル量(r s =0.79)・体細胞量(rs=0.747)に強い相関(p<0.01)が認められた。トレーニング有の群では、女性は体脂肪量(r s =0.831)と体脂肪率(r s =0.812)に強い相関(p<0.05)が認められ、男性は強い相関は認められなかったが体脂肪率以外全てのパラメータにおいてやや相関(p<0.05、rs=0.569~0.681)ありとなった。</p><p>【結論】</p><p>今回BMIと体組成のパラメータとの相関について、性差によりパラメータで相関の違いが明確となった。男性は昨年の報告同様変化はなかったが、女性は、昨年に比べ細胞内水分量・内臓脂肪断面積のみ強い相関からやや相関ありとなった。要因として、今年度の追加被験者11名の内10名は女性であったため、新型コロナウィルスによる活動自粛要因なども関連因子として考えられた。BMIと体組成との相関について、昨年同様性差において相関に差が認められた。なお、トレーニング有群は結果には記載したが昨年同様まだ標本数が少ないため、あまり明確な判断はできなかった。</p><p>【倫理的配慮、説明と同意】</p><p>本研究は、ヘルシンキ宣言に則り被験者に調査の目的や手順を説明して署名による同意を得た。なお、埼玉県立大学の倫理委員会で承認済(第19083号)。研究方法として予め、対象者に説明文書により研究目的を説明し、文書にて同意が得られた対象者のみ対象とした。</p>

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