転倒経験者と非転倒経験者を判別するための最適な歩行特徴の特定

DOI
  • 稲井 卓真
    産業技術総合研究所健康医工学研究部門くらし工学研究グループ
  • 小林 吉之
    産業技術総合研究所人間拡張研究センター運動機能拡張研究チーム
  • 中嶋 香奈子
    産業技術総合研究所人間拡張研究センター運動機能拡張研究チーム
  • 沓澤 岳
    産業技術総合研究所人間拡張研究センター運動機能拡張研究チーム
  • 工藤 将馬
    産業技術総合研究所人間拡張研究センター運動機能拡張研究チーム
  • 二瓶 史行
    日本電気株式会社バイオメトリクス研究所
  • 中原 謙太郎
    日本電気株式会社バイオメトリクス研究所
  • 黄 晨暉
    日本電気株式会社バイオメトリクス研究所
  • 藤田 浩二
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科運動器機能形態学
  • 山本 皓子
    東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科整形外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Optimal Gait Feature Identification to Distinguish Fallers and Non-Fallers
  • based on“Difference in Foot Clearance Measurement Position”and“Minimum and Maximum Clearances during the Swing Phase”
  • 〜足部クリアランス測定部位の違いと遊脚期の最大・最小クリアランスに着目して〜

抄録

<p>【目的】本研究の目的は,つまずきによる転倒に関連するクリアランスに着目し,「足部クリアランス測定部位の違 い」と「遊脚期の最大・最小クリアランス」に関する,転倒経験者の歩行特徴を特定することである。</p><p>【方法】本研究は,地域在住高齢者の非転倒経験者26 名(非転倒群,69.4 ± 3.2 歳,女性13 名)と転倒経験者23 名 (転倒群,67.7 ± 2.6 歳,女性12 名)を対象とした。三次元動作解析装置・床反力計を用いて,遊脚期の最大クリアランスと最小クリアランスを計測した。本研究では,足部クリアランス測定部位の条件として,踵のマーカーから第 3 中足骨頭のマーカーまでの直線上の11 点を設定した。Cohen’s d を用いて効果量を計算した。</p><p>【結果】すべての足部クリアランス測定部位の条件で,非転倒群と比べて転倒群の最大クリアランスは有意に小さ かった。ほぼすべての足部クリアランス測定部位の条件で,非転倒群と比べて転倒群の最小クリアランスは有意に小さかった。最小クリアランスよりも,最大クリアランスの効果量は大きかった(最大クリアランス:0.68-0.84[中-大],最小クリアランス:0.53-0.54[中])。踵側よりも,つま先側の最大クリアランスの効果量は大きかった(踵:0.68 [中],つま先:0.84[大])。</p><p>【結論】本研究では,つまずきによる転倒に関連するクリアランスに着目して,転倒経験者の歩行特徴を特定した。 結論として,クリアランスを用いて転倒リスクを高い精度で評価するためには,「つま先」の「最大」クリアランスをみることが適切である可能性が示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296420726953728
  • DOI
    10.11335/tentouyobou.9.2_13
  • ISSN
    21885710
    21885702
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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