地域在住高齢者の転倒関連自己効力感に関する生活状況および認知機能についての横断研究

  • 岡地 雄亮
    医療法人喬成会訪問看護ステーションポプラ
  • 木村 一志
    北海道文教大学大学院リハビリテーション科学研究科
  • 佐々木 幸子
    北海道文教大学大学院リハビリテーション科学研究科
  • 奥村 宣久
    北海道文教大学大学院リハビリテーション科学研究科
  • 湯浅 孝男
    北海道文教大学大学院リハビリテーション科学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • A Cross-sectional Study on Living Status and Cognitive Function Related to Fall-related Self-efficacy of the Community-dwelling Older Adults

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説明

<p>【目的】転倒に関する心理的要因として転倒関連自己効力感が着目されている。そこで本研究では地域在住高齢者の 生活リズム,生活機能,認知機能と転倒関連自己効力感との関連を明らかにすることを目的とした。</p><p>【方法】対象は65 歳以上の地域在住の自立高齢者および要支援認定者52 名とした。転倒関連自己効力感の測定には 日本語版転倒関連自己効力感尺度(the Falls Efficacy Scale-International:FES-I)を用いた。生活状況の評価には簡易生活リズム質問票および,基本チェックリストを用いた。認知機能評価として遂行機能,functional reach test 誤差,2 ステップ誤差を測定した。転倒関連自己効力感に関連する要因を検討するため,FES-I 得点を従属変数,簡易生活リズム質問票総得点,基本チェックリスト総得点,認知機能評価の各項目を独立変数とした重回帰分析を行った。</p><p>【結果と考察】研究参加者52 名の平均年齢は75.3 ± 6.5 歳だった。簡易生活リズム質問票で評価した生活リズムのう ち,睡眠の質は転倒関連自己効力感と有意な負の関連を示した(偏回帰係数B =−2.148,95 %CI:−3.676,−0.620, p=0.007)。基本チェックリストで評価した生活機能のうち,閉じこもりと転倒関連自己効力感との間に有意な負の関連が認められたが(偏回帰係数B=6.191,95 %CI:0.950,11.433,p=0.022),認知機能は転倒関連自己効力感との関連を示さなかった。転倒関連自己効力感に関連する要因を検討するためには,睡眠の質と閉じこもりについて着目する必要があることが示唆された。</p><p>【結論】地域在住高齢者の転倒関連自己効力感を捉えるために,身体機能面だけではなく,生活リズムや生活機能と いった包括的な視野が必要であるといえる。</p>

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