心肺運動負荷試験から得られる呼吸代償開始点と呼吸数変化の関係についての検討
この論文をさがす
説明
目的:心肺運動負荷試験(CPX)実施時の呼吸数の変化が呼吸代償開始点(RCP)到達の指標として有用であるか検討する.方法:最大負荷時のガス交換比(Peak RER)が1.10以上までCPXを実施した心疾患患者68例から,RCP到達群と非到達群を比較検討した.結果:RCP到達群は56例,非到達群は12例であった.嫌気性代謝域値(AT)からPeakまでの呼吸数変化(ΔRR AT-Peak )は11.4 ± 4.2 vs.4.9 ± 1.8回/分(p<0.001)であり,多変量ロジスティック回帰分析においても有意であった(p=0.010).RCPに到達する負荷に必要なΔRR AT-Peakのカットオフ値を7.0回/分とすると,感度0.875,特異度0.917,曲線下面積0.957,95 %信頼区間0.910〜1.000であった.結語:呼吸数がATから7.0回/分増加するポイントはRCPとほぼ一致しており,CPXの最大運動負荷に到達する指標として有用な可能性がある.負荷終了時を適切に判断するためにAT以降の呼吸数変化を観察することが重要である.
収録刊行物
-
- 松江市立病院医学雑誌
-
松江市立病院医学雑誌 26 (1), 28-33, 2022-12-01
松江市立病院
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390296420733593600
-
- ISSN
- 24348368
- 13430866
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可