獣害対策としてのカプサイシン噴霧が牧草の初期成長に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of different concentrations of capsaicin as a wildlife damage management on initial growth of pasture grass

抄録

<p>海外でカプサイシンは,シカ科動物の農林業被害対策の一つとして利用されている.本研究では,3つの濃度に調整したカプサイシン溶液を発芽後の牧草に噴霧し,牧草の初期成長に及ぼす影響を調べた.オーチャードグラス(Dactylis glomerate L.)およびチモシー(Phleum pratense L.)を用いて,1000 µM,3000 µM,5000 µMの濃度のカプサイシン処理区,エタノール処理区および水のみの対照区において,それぞれの草丈および相対乾物重量比率を算出し,カプサイシンが牧草の生育に及ぼす影響を調べた.草丈は,両品種において3000 µM区および5000 µM区で他処理区と比較して有意に減少した(P<0.05).相対乾物重量比率は,両品種ともに3000 µM区および5000 µM区で,対照区,エタノール区および1000 µM区と比較して有意に減少した(P<0.05).以上のことから,獣害対策として有効濃度と考えられる3000 µM以上のカプサイシン溶液噴霧は牧草の初期成長を抑制することが明らかとなった.</p>

収録刊行物

  • 日本畜産学会報

    日本畜産学会報 94 (2), 231-234, 2023-05-25

    公益社団法人 日本畜産学会

参考文献 (6)*注記

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