自閉スペクトラム症幼児と定型発達幼児の象徴遊びの発達について:象徴遊びのレパートリーと連鎖に着目した縦断的検討

  • 溝江 唯
    東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科
  • 大伴 潔
    東京学芸大学特別支援教育・教育臨床サポートセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Development of Symbolic Play in Children with Autism Spectrum Disorder and Children with Typical Development: A Longitudinal Investigation on the Repertoire and Sequential Organization of Play
  • ジヘイスペクトラムショウ ヨウジ ト テイケイ ハッタツ ヨウジ ノ ショウチョウ アソビ ノ ハッタツ ニ ツイテ : ショウチョウ アソビ ノ レパートリー ト レンサ ニ チャクモク シタ ジュウダンテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

<p>本研究は,知的発達および言語発達に遅れのない自閉スペクトラム症(ASD)幼児10名と定型発達(TD)幼児10名を対象とし,象徴遊び行動の生起頻度とレパートリー数,「食事」,「移動」といった遊びのテーマの生起頻度とレパートリー数,象徴遊び行動の連鎖数に焦点を当て両群の発達過程の違いを明らかにするために縦断的に比較を行った。生活月齢30か月~42か月の時点より約1年間に渡り6か月程度の間隔で3回データ収集を行った。月齢を共変量とした一般線形混合モデルにより群間の比較を行ったところ,象徴遊び行動のレパートリー数,象徴遊び行動の連鎖数において,群と月齢の交互作用が認められた。下位検定の結果,ASD群は月齢が上昇しても象徴遊び行動のレパートリー数と連鎖数に変化が認められなかった一方で,TD群においては,これらの指標値に増加が認められた。知的発達・言語発達ともに遅れのないASD幼児であっても象徴遊びのレパートリー数や連鎖においてTD幼児と発達過程が異なることが示された。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 33 (2), 65-75, 2022

    一般社団法人 日本発達心理学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ