アサリ親貝豊度は稚貝豊度にとって重要か?東京湾三番瀬における卓越群の再生産を参照して

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タイトル別名
  • Does abundance of spawners matter?: Referring to the reproduction in dominant cohort of asari clam in Sanbanze, Tokyo Bay

抄録

<p>東京湾三番瀬でのアサリの再生産動態を明らかにするために,2001–2005年に約2週間間隔で幼生,着底稚貝から親貝の密度変化の詳細を,また1988–2014年に2ヶ月間隔で底生個体の密度の長期変動をそれぞれ調査した.資源形成の主体となる秋産卵群に関する2001–2004年の観察では,2002年産卵群の密度は,幼生来遊時,着底時,加入時,および親貝に達した時でいずれも高く,幼生来遊時の密度が着底から親貝までの密度に反映していた.長期変動調査では,秋産卵時10月の親貝密度とそれに由来する翌春6月の未成貝密度の間には明瞭な関係はなかったが,6月の未成貝密度とそれが成長した10月の親貝の密度と正の相関を示した.親貝と次世代の未成貝密度が相関しない理由として,配偶子形成の可塑性と産卵の環境依存性を考察した.三番瀬においてアサリ親貝の豊度を決定している生活史段階は産卵であるという仮説を提示した.</p>

収録刊行物

  • 水産海洋研究

    水産海洋研究 86 (4), 166-179, 2022-11-25

    一般社団法人 水産海洋学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296575287489280
  • DOI
    10.34423/jsfo.86.4_166
  • ISSN
    24352888
    09161562
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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