調整・支援システム下の農業と観光業の共生と持続

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書誌事項

タイトル別名
  • Under the Systems of Adjustment and Support, Sustainment by the Symbiosis of Agriculture and Tourism Industry:
  • A Case Study of Less Favored Areas in the French Alps
  • ―フランス・アルプス条件不利地域の事例研究

抄録

<p>    本稿は一定の条件(調整 ・支援システム)のもとで,観光業と農業が共生を通じて持続しているかどうかというこれまで十分に解明されていない問題について,エギュブランシュ盆地コミューン連合区(以下, 「連合区」と略称)を事例として検討したものである.<BR>     「連合区」では土地整備会社との間で住民や環境との関係を調整した地域開発契約(調整システム)が締結されたうえ,国家・州・県・EUなどによる支援システムが構築された. <BR>    このシステム下で観光開発が実施された「連合区」のアヴァシェール・ヴァルモレルだけでなく,その観光開発に連動して農業・観光施設への設備投資や,牧人・土地組合の設立による農家への土地の賃貸などがなされたラ・レシェールでも,観光業と農業の共存・共生が進んだ. <BR>    共生には,観光業が冬期にスキー場として利用したアルプ放牧地を夏期に農業が放牧地として利用する土地共用の形と,農家の家族労働力がリフト業,宿泊業などに雇用され,農業にも観光業にも役立つ労働力共用の形がある.休暇用住宅経営と農業との共生も労働力共用の形に類別される. <BR>    このような共生は農業にも観光業にも有益だったので双方の持続を可能にした.これらの持続は環境を傷つけない範囲で粗放的な酪農経営・牧羊経営を営んでいる農家の増加や,環境を傷つけない小規模な観光業の発展によって確認された.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296608342244480
  • DOI
    10.20592/jaeg.68.2_149
  • ISSN
    24241636
    00045683
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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