生理指標を用いてストレスを可視化する(教育講演①)

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  • 前田 駿太
    東北大学大学院教育学研究科 臨床心理学コース

抄録

  ストレスの概念は,当初はW.B.キャノンやH.セリエらによる,ストレス事態に対する生理的反応に関する研究から発展しており,ストレスの理解におけるその生理的基盤の重要性は明らかであると考えられます。実際に,目に見えない「つらさ」をある種「客観的」にとらえることができる生理指標には大きな魅力があります。<br>  しかしながら,実際にストレス反応を生理指標を用いて適切に把握するためには,さまざまな条件統制が必要となることをはじめとして,多くの考慮すべき点が存在します。適切な測定が行われないと,現象の解釈がむしろ困難となり,場合によっては,生理指標をあえて用いない測定の方が好ましいことさえあります。<br>  このようなことをふまえて,本教育講演では,ストレスを適切に「可視化」するために必要な観点について基礎的な水準でお話できればと思います。具体的には,ストレスに関する基礎的な理解をはじめとして,ストレスを評価するための各種指標の特徴(主観,行動,生理等),生理指標を用いた測定を行う際のガイドラインに基づいた留意事項等についてお話させていただく予定です。加えて,講演者がこれまでに取り組んできた研究(急性ストレス事態に対する生理的反応の回復 )についても簡単にご紹介させていただけますと幸いです。<br/>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296608342577152
  • DOI
    10.24466/pacbfsa.34.0_ed1
  • ISSN
    24242586
    13451510
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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