縦隔気管孔形成術を施行したムコ多糖症I型(Hurler症候群)の1例

  • 首藤 喬
    関西電力病院麻酔科 大阪公立大学大学院医学研究科麻酔科学
  • 舟井 優介
    大阪公立大学大学院医学研究科麻酔科学
  • 堀 耕太郎
    大阪公立大学大学院医学研究科麻酔科学
  • 脇 彩也香
    独立行政法人労働者健康安全機構大阪ろうさい病院麻酔科
  • 森 隆
    大阪公立大学大学院医学研究科麻酔科学

書誌事項

タイトル別名
  • Anterior mediastinal tracheostomy in a child with Hurler syndrome

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抄録

<p>重度の頸椎後屈制限を伴うムコ多糖症I型(Hurler症候群)の患児に対し,縦隔気管孔形成術を施行した1例を経験した。症例は10歳,男児。幼少時よりHurler症候群と診断され,4歳時に頸椎症に対して椎弓切除術を受けた。ARDSのため他院で気管挿管されたが,集中治療目的に当院に搬送された。集中治療により肺炎は改善したが,人工呼吸器からの離脱が困難で,気管切開が必要な状態と判断された。しかし,頸椎後屈制限のため気管切開が不可能であり,縦隔気管孔形成術を行う方針とした。小児では稀な術式であり,患児の合併疾患も重篤であるため,多職種合同カンファレンスを行い,周術期管理について綿密に検討した。特に手術体位の決定,術野挿管の方法,体外循環の可否,腕頭動静脈切断リスクへの対応について議論した。手術は問題なく終了し,術後合併症を生じずに良好な経過をとった。多職種連携による集学的治療を行うことで安全に管理できた。</p>

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