パルプ工場におけるCO<sub>2</sub>削減への提案

  • 山本 崇平
    アンドリッツ株式会社 サービス営業グループ
  • 花澤 貴裕
    アンドリッツ株式会社 エンジニアリングプロジェクトグループ
  • 萩原 幹児
    アンドリッツ株式会社 主幹(フェロー)

書誌事項

タイトル別名
  • Andritz Proposal for CO<sub>2</sub> Reduction at Pulp Mill
  • ―Sootblower ACE for Recovery Boiler―
  • ―回収ボイラー用スートブロワACE―

抄録

2022年夏現在及び以降,国内製紙工場はエネルギー関連について非常に困難な状況にあると思われる。課題としてはCOP26にて決定されたCO2の排出制限目標への対応,基盤産業である製紙工場に対する顧客からの石炭削減への強い要求,急激に高騰する化石燃料コスト(石炭,原油,天然ガス),不安定な国際事情や円安による急激に高騰する原材料コストが上げられる。国内製紙工場では工場の状況に基づいてCO2削減に向けたエネルギー転換及びコストダウンへの厳しい対応が求められている。顧客が置かれている状況に対応可能なアンドリッツ社の技術の一部を紹介する。又,IT技術として回収ボイラーに使用されるスートブロワにアンドリッツ社特有の技術であるスートブロワACEを紹介する。<br>技術内容としては,製紙工場内にあるKP工程以外の技術に関するものとKP工程に関連したものに分けて紹介及び説明する。<br>KP関連ではエネルギー発生源である黒液を処理するエバポレーターと回収ボイラーについて取り上げ,エバポレーターや回収ボイラーのアップグレードは,CO2削減の効果としては大きなエリアである事を説明する。<br>ヨーロッパ紙パルプ業界ではCO2削減に早くから取り組んでおり,アンドリッツ社は,顧客要望に合わせた解決策をご提案しており,同様のご提案を日本国内の顧客にもご紹介している。<br>今回はアンドリッツ社の技術スートブロワACEを含めた一部の技術をご紹介するわけだが,ACEは大きな設備投資も必要なく,大きなメリットを得られる可能性がある。今後もこのような海外の新技術を国内の製紙工場様にご紹介及び導入の手助けをさせていただく所存である。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 77 (6), 538-542, 2023

    紙パルプ技術協会

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