t(3;14;18)(q27;q32;q21)転座を認めた濾胞性リンパ腫grade 3A症例

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タイトル別名
  • Two-step development of t(14;18)(q32;q21) followed by t(3;14)(q27;q32) involving the same <i>IGH</i> allele to generate t(3;14;18)(q27;q32;q21) in follicular lymphoma, grade 3A
  • Two-step development of t(14;18)(q32;q21) followed by t(3;14)(q27;q32) involving the same IGH allele to generate t(3;14;18)(q27;q32;q21) in follicular lymphoma, grade 3A
  • 同一の<i>IGH</i>アリルが関与するt(14;18)(q32;q21)とt(3;14)(q27;q32)の2段階転座

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抄録

<p>症例は60代女性.転移性乳癌の治療中にステージIVの濾胞性リンパ腫(FL)を併発した.リンパ節生検でFL grade 3Aの組織像を示し,リンパ腫細胞はCD10,CD20,CD79a,BCL2,BCL6陽性,CD3陰性であった.Gバンディングと蛍光in situハイブリダイゼーションにより,t(14;18)(q32;q21)/IGH::BCL2を示すメジャークローンと,BCL6IGHBCL2を含むトリプル転座t(3;14;18)(q27;q32;q21)のマイナークローンを認めた.BCL2::IGHBCL6::IGHの切断点を含むDNA領域をlong-distance PCRにより増幅したところ,前者はBCL2のfar 3′ major breakpoint region clusterとIGHJ6IGHG1の配列からなり,後者はBCL6のmajor translocation clusterとIGHG2の配列からなっていた.従って,der(3)t(3;14;18)では,BCL2BCL6のコーディングエクソンが同じ転写方向に並び,IGHのイントロンEμエンハンサーが2つの遺伝子の間に存在していると考えられた.t(3;14;18)はt(14;18)とt(3;14)の2段階転座によって生じ,BCL2::IGHBCL6::IGHは同じIGHアリルが関与していることが示唆された.</p>

収録刊行物

  • Tenri Medical Bulletin

    Tenri Medical Bulletin 26 (1), 20-31, 2023-12-25

    公益財団法人 天理よろづ相談所 医学研究所

参考文献 (21)*注記

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