話し言葉における接続表現の意味・機能に関する考察

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タイトル別名
  • A study on the meaning and function of conjunctive expressions in oral Japanese
  • ハナシコトバ ニオケル セツゾク ヒョウゲン ノ イミ キノウ ニカンスル コウサツ
  • 話し言葉における接続表現の意味機能に関する考察

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説明

本稿では、話し言葉の中から接続表現「しかも」、「でも」、「だって」、「だから」を取り上げ、フィラー化しにくいものと、フィラー化することがあるものを明らかにした。 「だって」には、呼応する特定の文末表現が相当数あり、特定の文末表現と呼応していないものの中に、「だって」の後件が理由や反論ではなく、フィラー化しているように思われるものが確認できた。「だから」についても、元来の意味・機能の他に、話題を元に戻そうとしたり、説明の途中にまだ説明が続くことを聞き手に知らせるなどの発話権の維持や、間つなぎや発話の切り出しのような話し手の心的態度を表すものも見られた。「でも」に関しては、元来の意味・機能から逸脱し、発話の切り出しや発話権の維持として使われている例や、相槌以外にどのような心的態度かが聞き手に理解できないような例など、フィラー化している用法も認められた。「しかも」は、本研究では元来の意味・機能を有するものしか抽出されず、その他の例は見出せなかった。 さらに、本研究では、「でもやっぱり」のように、「でも」が同じ文の中で、「やっぱり」と連続して使用される際に、「やっぱり」との間に「間」が置かれず、およそ一語化し、「でも」が「やっぱり」に順応していると思われる例を見出した。これについては、「でも」と「やっぱり」の親和性の高さがあることを指摘した。加えて、その要因として、もともと「でも」が前件を受けて後件へつないでいくという関係性に優れているということ、また、副詞としての「やはり」が他の様態副詞、陳述副詞とは異なり、「承前性」を併せ持つものであるということに言及した。

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