アニメーションと生態心理学と「思想」

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タイトル別名
  • Animation, Ecological Psychology and “Thought”

抄録

<p> アニメーションに作者や監督が込めた意図を哲学や文学で論考すれば,「思想」と呼べるものとなろう.それは,意図の傾向から現れる制作者自身の性格や特質であり,表現の動機である.しかしこれらに関する論考は,描かれた情報を臨床心理学における「箱庭療法」のように「解釈」したものである.一方,生態心理学で扱うのはあくまでも環境に埋め込まれた情報である.表現媒体に人間が付けた痕跡を心理士が「解釈」したものを「思想」と呼ぶのならば,それは生態心理学の枠組みで扱われるものではない.ギブソンが述べるところの「知覚の二重性」で想定されているような2つの「一次情報」,スクリーンそのものと,映し出されている光学的配列以上の意味があるわけではない.ただし,アニメーション制作者がこの表現方法について「何でも表現することができる」という確信については,これを否定すべきではない.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296666511064320
  • DOI
    10.24807/jep.15.1_87
  • ISSN
    2434012X
    13490443
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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