幼児の初期の概念形成:なぞなぞ課題の作成から

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タイトル別名
  • Investigation of Early Concept Learning: Creating Riddle Tasks
  • ヨウジ ノ ショキ ノ ガイネン ケイセイ : ナゾナゾカダイ ノ サクセイ カラ

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抄録

<p>本研究は,3,4歳の幼児でも答えることが可能な,物の見た目や特徴を問うなぞなぞ課題を作成し,概念形成や発達を評価する課題としての正答率及び達成可能な年齢について検討した。課題は動物,果物,車,乗り物,家にあるものの5つとし,各課題につき3,4項目作成した。研究1では3歳から6歳の幼児を対象とし,項目の正答率を比較した。その結果,正答率は3歳から6歳にかけて上昇していた。研究2ではなぞなぞが発達検査の課題として使用可能か検討するために,動物,乗り物,家にある物を課題として再編して,研究1から3項目ずつ選択し,3項目中2項目正答すればその課題を通過とした。新たに3歳から6歳の幼児を対象としてなぞなぞを実施し,課題の通過率と50%通過年齢を算出した。その結果,動物,乗り物,家にある物はそれぞれ難易度が違い,50%通過年齢については乗り物が45.7月,家にある物は53.8月であった。本研究で作成したなぞなぞは,4歳頃の言葉の発達を評価する課題として使用することができ,伝えられた特徴からイメージする力はその頃に発達することが示唆された。</p><p>【インパクト】</p><p>本研究は動物,果物,車,乗り物,家のある物を課題としたなぞなぞを作成し,正答率や通過年齢を示すことで,幼児の初期の概念形成や発達時期及び発達を評価する課題としての有用性について明らかにした。本研究で使用したなぞなぞは,年齢と共に正答率が上昇し,4歳頃にできるようになる課題であったことから,幼児期に概念が形成され,他者とのイメージの共有ができることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 発達心理学研究

    発達心理学研究 34 (1), 29-39, 2023

    一般社団法人 日本発達心理学会

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