Rietveld texture解析を用いた鉄鋼ミクロ組織評価における等方性温度因子の影響

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タイトル別名
  • Effect of Isotropic Temperature Factor on Microstructural Observation of Steels in Rietveld Texture Analysis

抄録

<p>鉄鋼材料の高温下におけるミクロ組織観察には,中性子回折を用いたRietveld texture解析が有効である.Rietveld texture解析では回折強度をもとに相分率や集合組織を解析することができる.ただし,回折強度は原子の熱振動をパラメータとする等方性温度因子(Biso)により変動し,Bisoの解析精度が相分率,集合組織解析に影響すると考えられる.本研究では,鉄鋼の中性子回折測定結果をもとにRietveld texture解析におけるBisoの相分率,集合組織解析への影響を調査した.高温中性子回折では,原子の熱振動により高次回折の強度減衰が著しくなることが確認された.低次から高次の回折強度の減衰を明確に観測することで文献値と同等のBisoが求められ,妥当なフェライト,セメンタイトの相分率が得られることが確認された.一方,意図的にBisoを変動し解析を行うと,集合組織解析への影響は小さいが,相分率解析に偏差が生じることが確認された.妥当なBisoを得るためには低次から高次にかけた回折ピークの減衰を検出する必要があるが,温度や積算時間などによって検出できる回折指数領域は変化する.そこで,Bisoを正しく見積もり,妥当な解析結果を得るのに必要な回折指数領域の調査を行った.フェライト相のBisoを正しく見積もり,妥当な相分率を得るためには最低でも低次から高次までの回折ピークを11本以上検出し,解析に用いる必要があることが確認された.</p>

収録刊行物

  • X線分析の進歩

    X線分析の進歩 51 (0), 147-156, 2020-03-31

    公益社団法人 日本分析化学会 X線分析研究懇談会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296666511600512
  • DOI
    10.57415/xshinpo.51.0_147
  • ISSN
    27583651
    09117806
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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