軸索路形成におけるコンドロイチン硫酸の役割;コンドロイチン硫酸誘導体を用いたアプローチ

DOI
  • 一條 裕之
    富山大学大学院医学薬学研究部(医学)解剖学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Chondroitin sulfate derivatives and their application for understanding axon guidance

抄録

発生期の神経系の軸索は経路に沿って配置されたガイダンス因子を順次に検知することで,軸索路を形成する。コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの糖鎖,コンドロイチン硫酸(CS)は細胞外で軸索伸長に多様な効果をおよぼすが,その構造多様性と機能の関係を検討することはこれまで困難であった。本稿では構造を改変したCS誘導体を用いて,軸索路形成に於けるCSの構造と機能の関係を明らかにする試みを紹介する。CSビオチン化誘導体を用いる実験では,軸索がCSを改変して自らの伸長に都合の良い微小環境を作ることが示唆された。CS脂質誘導体を吸着したビーズを用いる実験では,CSの構造の違いが成長円錐の行動に及ぼす効果を検討できるようになった。CSの構造と機能の関係を検討するために,誘導体を用いた培養実験は遺伝学的な方法の相補的なアプローチとして重要であろう。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296829542760448
  • DOI
    10.57561/utigakukaishi.23.1_1
  • ISSN
    2758819X
    18832067
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ