混合材料の複素誘電率モデルとDebye型緩和及び構造の関連性

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タイトル別名
  • Complex Permittivity Model for Composite Materials and its Relevance to Debye Relaxation and Structure

抄録

従来より,黒鉛含有発泡ポリスチロールの複素誘電率の数値モデル式が実験式として提案され,用いられてきた.しかし一方で,混合材料の複素誘電率を決定する具体的な要因は明らかにされていない.そのため,本研究では主に混合材料の構造に着目した上で,複素誘電率に影響を与える要素について考察した.具体的な手法として,まず実際の黒鉛含有ポリスチロールの製作過程を踏まえ,黒鉛を切頂点八面体セル状の薄い層として表現した構造モデルを作製した.黒鉛層部分に複素誘電率$\dot{\epsilon}_{\rm{inc}}$を設定した上で,この構造に対し電磁界シミュレーターを利用した解析を行い,取得した複素Sパラメータ値から等価誘電率$\dot{\epsilon}_{\scalebox{0.5}{HFSS}}$を求め,影響を与える要素について調べた.解析の結果,$\dot{\epsilon}_{\scalebox{0.5}{sim}}$が実際の黒鉛含有発泡ポリスチロールと同様の誘電特性をもつように$\dot{\epsilon}_{\rm{inc}}$を設定すれば,その$\dot{\epsilon}_{\rm{inc}}$の値は多極Debye型緩和関数によって表現できることが分かった.このことから,黒鉛含有発泡ポリスチロールの誘電特性は,黒鉛層部分がもつDebye型の誘電緩和特性が全体の等価誘電率に直接的な影響をもたらすことにより説明ができることが明らかになった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390296885736900352
  • DOI
    10.14923/transcomj.2022pep0011
  • ISSN
    18810209
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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