歯性感染症が契機と考えられた<i>Aggregatibacter aphrophilus</i>による脳膿瘍の一症例

  • 釼 祐一郎
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 山﨑 敦子
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 阿部 瑛紀子
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 澁谷 さやか
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 杠 祐樹
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 田矢 一帆
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 角坂 芳彦
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター
  • 神田 晃
    関西医科大学附属病院臨床検査医学センター

書誌事項

タイトル別名
  • A case of bacterial brain abscesses due to <i>Aggregatibacter aphrophilus</i>, secondarily caused after dental and periodontal disease
  • 歯性感染症が契機と考えられたAggregatibacter aphrophilusによる脳膿瘍の一症例
  • ハ セイ カンセンショウ ガ ケイキ ト カンガエラレタ Aggregatibacter aphrophilus ニ ヨル ノウ ノウヨウ ノ イチ ショウレイ

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抄録

<p>58歳男性,右大臼歯抜歯1か月後に左上下肢の麻痺と頭痛を認め,近医にて頭部MRI検査を施行したところ,右大脳半球周囲に多発性腫瘤を指摘され,当院に紹介された。穿頭ドレナージ術が施行され,ドレナージ排液よりグラム陰性小桿菌を認めた。グラム染色形態ならびに歯科治療歴からHaemophilus属を疑い,meropenemによる治療が開始された。分離菌は質量分析装置により,Aggregatibacter aphrophilusと同定され,患者の歯科治療歴から歯性感染症が契機となった脳膿瘍であると考えられた。脳膿瘍に対する適切な抗菌薬投与のためには,外科的処置の施行と膿瘍の培養による原因菌の分離同定,それに基づく感染経路の推定が重要である。本症例では,患者背景など臨床との情報共有が菌種同定に有用であり,迅速な治療の開始に貢献できた一例であった。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 72 (3), 471-475, 2023-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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