日本における廃プラスチックリサイクルの環境・経済・社会影響の統合的評価

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  • Integrated Assessment of Environmental, Economic, and Social Impacts of Waste Plastic Recycling in Japan

抄録

<p>中華人民共和国が 2017 年に廃プラスチックの輸入を禁止し、日本の他の主要輸出先地域においても廃プラの輸入に関する許可基準の厳格化が進められてきた。そのため、日本国内における廃プラ回収・処理の検討が重要になっている。本論文は、2015 年に日本から輸出されていた 160.6 万トンの廃プラを輸出せず、国内で処理・リサイクルすることにより生じる環境、経済、社会影響を、産業連関分析を応用して統合的に評価した。本研究は、リサイクルする産業部門・方法の異なるリサイクルシナリオ(S1 ~ S6)と単純焼却および埋立を行うベースケースシナリオ(S0)を設定し、各シナリオの下での環境(CO2 排出量)、経済(所得)、社会(雇用者数、輸入額)に係る指標を算定し、それらを組み合わせて統合的に評価する手法を開発した。その手法を応用して、銑鉄部門によるコークス炉化学原料化シナリオ(S1)は、一定の社会経済条件(雇用の維持、輸入額で測られる資源調達の海外依存度の低減、および所得の維持)を満たすシナリオの中で最も CO2 排出量が少ないとの結果が得られた。本研究の結果は、単一の統合された指標を算定せず、複数の指標を組み合わせてシナリオを評価ための産業連関分析の有用性を例証するものである。</p>

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