Male takeover and subsequent coexistence by two adult males in blue monkey in the Kalinzu Forest

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  • カリンズ森林のブルーモンキー集団におけるオトナオス2頭による群れの乗っ取りとその後の共存

Abstract

<p>単雄複雌型の群れをつくる種では、群れをもつオスが繁殖可能なメスへのアクセスを独占できるため、群れ外オスとのメスをめぐる激しい競争や群れの乗っ取りが起こる。オナガザル属はほとんどの種で単雄複雌型の群れをつくるにもかかわらず、オス間競争に関する報告は少ない。本発表ではウガンダ共和国・カリンズ森林のブルーモンキーBN群で観察された、外部から来たオトナオス2頭(EkyroとTsuki)の連合による群れの乗っ取りと、乗っ取り後も2頭の共存が継続した事例ついて報告する。2頭は2022年12月9日に初めてBN群内で確認された。当時のアルファオス(Asa)はその日から観察されず、12月12日にBN群の遊動域内にて死体が発見された。以降はEkyroが新しいアルファオスのように振る舞っていたが、TsukiもBN群内に残っており、少なくとも2023年2月14日までは2頭の共存が確認できた。2頭ともに明確に他方を排除しようとする様子は観察されなかった。それどころか、2頭でのグルーミングや、Tsukiがオトナメスに対して交尾を試みるのを近くにいたEkyroが傍観する様子も観察された。乗っ取り後の親和的な交渉や交尾行動に対する許容性から、2頭の間には血縁関係がある可能性も考えられる。しかし、単に乗っ取り後で群れが安定していないだけという可能性も排除できない。親和的な複数オスが継続的に共存するというのは単雄複雌型のオナガザル属においておそらく初の報告である。今後、糞便DNAの分析による血縁度解析などを通じて今回の現象のメカニズムを検証する。</p>

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