超音波子宮卵管造影検査に伴う痛みに関する検討-患者アンケート結果より-

  • 峯川 亮子
    医療法人社団晴琳会オガタファミリークリニック
  • 吉田 貴則
    医療法人社団晴琳会オガタファミリークリニック
  • 緒方 洋美
    医療法人社団晴琳会オガタファミリークリニック
  • 緒方 誠司
    医療法人社団晴琳会オガタファミリークリニック

書誌事項

タイトル別名
  • Quantitative assessment of patient pain perception with Hysterosalpingo-foam sonography (HyFoSy)
  • チョウオンパ シキュウランカンゾウエイ ケンサ ニ トモナウ イタミ ニ カンスル ケントウ : カンジャ アンケート ケッカ ヨリ

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説明

子宮卵管造影検査は不妊治療において方針決定に重要な検査であり,当院では利便性および被曝の観点から超音波子宮卵管造影検査(フェムビューTM)を行っている.同検査に伴う痛みの実態を把握することを目的として,2019年1月から2020年3月にフェムビューTMを受検し,次回診察時に同意を得たうえで,アンケート用紙を配布した156名を対象としてアンケート調査を実施した.痛みの強さは0=痛みなし,10=想像できる最大の痛み,とした数値評価スケール(NRS)を用いた.検査中・後の痛みスコアの比較では,ともに予想よりも実際の痛みが少なく,中等度以上(スコア4以上)の痛みの有無で比較したところ,痛みのあった群ではクラミジア感染既往を有意に多く認めた.通過性の所見に基づき3群(両側通過・片側異常・両側異常)で比較した結果,所見の異常と検査中の痛みの強さに相関関係があり,両側通過群でのみ検査中の予想と実際の痛みに有意差を認めた.元来,痛みに強い方であるかとの質問に基づき,3群(強い・普通・弱い)で上記NRSを比較検討したところ,痛みに弱いと答えた人で予想と実際の痛みの間に有意な低下を認めた.鎮痛剤を検査後全員に処方し,27.8%の症例で実際に服用した.実施時に介助以外の看護師の付添いがあった62名のうち57名(92.0%)が,疼痛緩和や安心感から付添いが効果的であったと回答し,付添いの有無での比較でも検査中の痛みが予想よりも低下していることが示された.今回のアンケート結果により,超音波卵管造影検査はイメージに比べて実際の痛みは少ない傾向であることが確認された.実施前の情報提供や鎮痛剤の処方,実施中の付添により不安を和らげるなどの工夫が重要であると考えられた.〔産婦の進歩75(3):230-240,2023(令和5年8月)〕

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