オンライン授業におけるグループ対話状況確認機能の開発と評価

DOI
  • 横山 誠
    山口大学大学院東アジア研究科 株式会社 エスブレイン
  • 鷹岡 亮
    山口大学教育学部

抄録

新型コロナウィルス感染症の影響もあり、高等教育機関だけでなく、小学校・中学校・高等学校、塾など様々な場でオンライン授業あるいはオンライン学習が実施され、実施方法の経験則も蓄積されはじめている状況にある。オンライン授業におけるグループ学習場面の課題の1つとして、学習者がオンライン上でグループメンバーと対話を行うことにより、ビデオチャットの音声・映像品質などが関係して通常の対話よりも集中して対話するために、対話の記録ができず、活動中や活動後に対話内容を振り返りにくいことがあげられる。そこで本研究では、1つの教室内だけでなく複数の場で受講する学習者がグループ学習活動の状況をグループ対話から把握するために、データマイニング手法を用いて活動中のグループの対話状況の確認や活動後の対話内容や学びの振り返りを支援することを目的とする。本稿では、学習者の発話を音声認識した対話データをリアルタイムでマイニングし、グループ対話中や対話後に、対話の全体や任意の区間を指定してワードクラウドとして表示する仕組みについて説明する。さらに、このワードクラウドを活用した学習者の対話状況の認識や振り返り活動の有用性について、教員養成系学部の授業を対象にして検証を行ったので報告する。結果として、音声認識の精度は課題ではあるが、ワードクラウド全体の可視化については、その時の学びや対話・作業状況を振り返るのに一定の有用性が認められた。一方、ワードクラウドの視聴区間を絞り込む機能については、使い方の慣れの問題や、活用する課題や対話時間の長さの問題もあり、有用性を感じている被験者が少ない結果となった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297128795270784
  • DOI
    10.32203/jaeis.15.1_49
  • ISSN
    24346845
    21890668
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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