原麦透過率を利用したハダカムギにおける非破壊硝子率判定法の検討

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タイトル別名
  • Development of a Non-destructive Method of Evaluating the Steely Grain Rate in Hulless Barley (<i>Hordeum vulgare var. nudum</i>) Using the Transmittance of Grains
  • ゲンバク トウカリツ オ リヨウ シタ ハダカムギ ニ オケル ヒハカイ ガラスリツ ハンテイホウ ノ ケントウ

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抄録

<p>硝子率は,ハダカムギの品質を評価する上で重要な項目である.これまで硝子率は,原麦を切断し,その断面における粉状質部分,半硝子質部分および硝子質部分の割合により評価されてきたが,本研究では,硝子率の違いによって原麦の透過率が異なることに着目し,原麦の明度から非破壊で硝子率を判定できないか検討した.硝子率の算出式を作成するキャリブレーションサンプルとして,1ヵ年,1圃場で採取した2品種のハダカムギ原麦400粒を調整し,算出式の精度を検証するバリデーションサンプルとして,収穫年,栽培圃場,品種,施肥体系がキャリブレーションサンプルと異なるものを含む8つのサンプルセットを調整した.キャリブレーションサンプルにおいて,背景明度によって修正した原麦の修正明度と1原麦硝子率の回帰式の決定係数は,0.8709 (p<0.001) で当てはまりがよく,この回帰式を1原麦硝子率の算出式とした.バリデーションサンプルにおける1原麦硝子率の実測値と推定値との関係は,全てのサンプルセットにおいて0.1%水準で有意であり,またその差は10%以下 (二乗平均平方根誤差<17%) となった.これらの結果から,原麦明度を測定することで,高い精度で硝子率を推定できることが示唆された.一方で,キャリブレーションサンプルと異なる圃場で栽培されたサンプルセットの中には,硝子率の実測値と推定値との間に有意差があるものがあり,さらに推定の精度を上げる必要性が考えられた.</p>

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