リンパ管細静脈吻合術をより効果的にする周術期集中排液とセラピストの役割

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タイトル別名
  • Complete Decongestive Therapy in the Early Postoperative Period of Lymphaticovenous Anastomosis

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抄録

<p>リンパ管細静脈吻合術の周術期に積極的な保存療法を組み合わせることが,治療の有効性を高めることを検証した.2009年11月–2020年7月までに下肢のLVAを受けた患者108名を対象に,A群:術後周術期保存療法介入なし50名,B群:術後周術期集中排液介入あり58名に分類し,術前および術後1–6カ月後の浮腫量を比較した.周術期集中排液介入群には患者参加型かつセラピストによるサポート下で,7日間の保存療法を実施した.傾向スコアによるマッチング解析の結果,6カ月後の患肢ボリューム減少効果はB群で高い傾向が認められ(p=0.068),観察期間中は改善状態が維持されていた.LVAにより排液効率が改善した状態で集中排液を行うことで,相乗効果が得られる可能性が示唆された.また,LVA周術期の入院期間中は,効果的な集中排液や維持期に繋がるセルフケア習得を,セラピストによる緊密なサポートのもとに行える理想的な環境であると考えられた.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 34 (3), 357-362, 2023-08-10

    日本静脈学会

参考文献 (9)*注記

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