日本のポピュラー音楽における「白人性」と「多文化主義」についての一考察 : 星野源『YELLOW DANCER』を事例に
書誌事項
- タイトル別名
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- Hoshino Gen’s YELLOW DANCER and “Whiteness” and “Multiculturalism” in Japanese Popular Music Culture
- ニホン ノ ポピュラー オンガク ニ オケル 「 ハクジンセイ 」 ト 「 タブンカ シュギ 」 ニ ツイテ ノ イチ コウサツ : ホシノ ゲン 『 YELLOW DANCER 』 オ ジレイ ニ
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説明
本稿では、シンガー・ソングライターの星野源のアルバム『YELLOW DANCER』が、2010年代半ばに芸術的・経済的成功を収めることができた理由を考察する。そのために、雑誌やウェブ上の音楽批評、アルバムジャケットなどで展開された語りと表象を分析する。これらの語りと表象には、日本の音楽市場における音楽家、とりわけ黒人の音楽家の創造力を限定するような、人々の違いを強調する日本に根付いたある種の「多文化主義」が反映されている。また、黒人の身体が他者化されることで、星野が「イエロー・ミュージック」と称する日本らしい音楽が構築される過程も表れている。本稿では、このような「日本らしい音楽」を浮上させる手法が、以前から長い間日本で使われてきたことも提示する。この手法は、日本の主流のポップ・ミュージックの文化的地位の向上と、日本人男性音楽家と音楽批評家の男らしさを確立するために、日本人音楽家や批評家自身の「白人性」、もしくは人種的優位性が批判されずに維持されてきた。結びでは、星野の『YELLOW DANCER』の成功は、以上のような「白人性」と「多文化主義」が根付く、男性優位の日本社会と文化を反映させていたために達成されたと論じる。
収録刊行物
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- 関西大学社会学部紀要
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関西大学社会学部紀要 54 (2), 1-21, 2023-03-31
関西大学社会学部
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390297128798688512
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- NII書誌ID
- AN00046982
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- HANDLE
- 10112/0002000081
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- NDL書誌ID
- 032834221
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- ISSN
- 02876817
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- IRDB
- NDLサーチ