グイマツ×カラマツF<sub>1</sub>雑種「クリーンラーチ」挿し木苗の最適な休眠導入条件

書誌事項

タイトル別名
  • Optimal Treatment of Dormancy Induction for Rooted Cuttings of Clean Larch, an F<sub>1</sub> Hybrid between <i>Larix gmelinii</i> var. <i>japonica</i> and <i>Larix kaempferi</i>

抄録

<p>炭素固定能が高く,野鼠害抵抗性,材強度に優れるグイマツ(Larix gmelinii var. japonica)×カラマツ(L. kaempferi)のF1雑種「クリーンラーチ」は,挿し木で苗が生産されているが,挿し付け時期が限られること,育苗ハウスの環境制御が難しく得苗率が低いことから需要を満たしていない。そこで筆者らは閉鎖型育苗施設で挿し木苗の通年生産技術を開発している。自然環境下では休眠導入できない9月に挿し付けた苗を対象に最適な休眠導入条件を検討するため,短日条件下(8時間)で温度を23℃,10℃,5℃,暗黒条件下で-5℃に段階的に下げる試験を実施した。23℃の工程を省略し10℃で短日(8時間)処理を開始すると頂芽が形成されず,最初に高温(23℃)短日処理が必要であった。23℃短日処理を行わない,もしくは次のステップの10℃短日処理が短い(1週間)と休眠導入中に苗が枯死し,休眠解除後の成長に負の影響があった。23℃短日3週間->10℃短日4週間->5℃短日2週間の休眠導入条件の場合,暗黒条件下での-5℃4週間の低温暴露で休眠が解除され,その後の生存,成長も良好であった。</p>

収録刊行物

  • 日本森林学会誌

    日本森林学会誌 105 (8), 265-274, 2023-08-01

    一般社団法人 日本森林学会

参考文献 (14)*注記

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