会話中に頻繁に笑う行動障害型前頭側頭型認知症の1例

  • 石原 健司
    旭神経内科リハビリテーション病院神経内科
  • 旭 俊臣
    旭神経内科リハビリテーション病院神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of behavioral variant frontotemporal dementia presenting with frequent laughter during conversations

抄録

<p> 会話中に頻繁に笑う行動障害型前頭側頭型認知症(behavioral variant frontotemporal dementia,以下bvFTDと略記)の1例を報告した.症例は72歳,男性,右利き.自発性低下,無銭飲食などの異常行動を主訴に受診した.神経学的所見として,歩行時のすり足と速度低下を認め,会話はおうむ返しの傾向があった.また会話中に頻繁に笑う,という症状が見られ,多幸的な印象を受けた.頭部MRIで両側前頭葉萎縮,脳血流SPECTで同部位の血流低下を認め,経過,症状と合わせてbvFTDと診断した.bvFTDでは笑うことが少ないとされているが,多幸的な症例では頻繁に笑う場合があると考えられた.また,笑いの背景に,感情表現の障害,共感の喪失が関与している可能性が推察された.</p>

収録刊行物

参考文献 (14)*注記

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