巨大若年性線維腺腫の治療経験

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タイトル別名
  • Treatment Experience of Giant Juvenile Fibroadenomas: A Report of Two Cases

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抄録

<p>若年女性に好発する線維腺腫のなかで急速に増大するものがあり,そのような巨大若年性線維腺腫は比較的稀な疾患である.症例は12歳と13歳女児.どちらも左乳房腫大を自覚し受診し,超音波検査にて最大12cmの境界明瞭な腫瘤,最大9cm大の同様の腫瘤を認めた.ともに針生検を施行し線維腺腫の診断に至るも,葉状腫瘍の可能性があること,左右差が著明であることから腫瘍摘出術を行った.病理組織学的所見はともに線維腺腫であり悪性所見は認めなかった.過去33年間の報告によると,15歳以下の線維腺腫症例は34例,15歳以下の葉状腫瘍は10例認めた.過去の文献では女性ホルモンの関与やKi-67陽性例の腫瘍増大を示唆されていたが,本症例ではともにER陰性,PgR陰性であり,Ki-67値は低値であった.本症例では術後経過良好であり再発なく整容性の改善も得られた.発生頻度も考慮し小児乳腺腫瘍の手術は腫瘍摘出術の施行とし,乳腺組織を可能な限り温存することが重要であると考えられた.</p>

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