新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行期におけるNICUの退院前母子同室支援に関する実態

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タイトル別名
  • Rooming-In Support Program Before Neonatal Intensive Care Unit Discharge During the COVID-19 Pandemic
  • シンガタ コロナウイルス カンセンショウ(COVID-19)リュウコウキ ニ オケル NICU ノ タイイン ゼン ボシ ドウシツ シエン ニ カンスル ジッタイ

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抄録

新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019,以下,COVID-19)流行期に当院新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit,以下,NICU)にて退院前母子同室支援(以下,母子同室支援)を行なった母子および母子同室方法の特徴を明らかにするために,NICUに入院した児のうち,母子同室支援を行なった22人を対象に後方視的に調査を行なった。乳児の疾患は低出生体重児が13人(59.0%)と最も多かった。平均出生体重(平均±標準偏差(SD),以下同様)は1,950±962gで,第1子が17人(77.3%)と最も多かった。平均NICU入院日数は85±103日であり,入院日数が6か月を超える長期入院児が2人であった。母親の平均年齢は32±6歳であり,NICU入院時点で既婚が20人(90.9%)であった。母子同室支援の実施理由では,「育児支援」が6人(27.3%)と最も多かった。「育児不安」は虐待のリスクと有意な関連があった。また小児病棟転棟後に母子同室となった母子とNICU退院前に母子同室となった母子とでは,母親の年齢以外に有意差はみられなかった。本研究の結果から,COVID-19流行期は,特に低出生体重児を出産した,高年齢,初産の母親に対し,育児支援を強化していく必要性が示唆された。さらに新興・再興感染症の流行の際には,小児病棟転棟し母子同室支援を実施できる可能性を見出した。

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