食物窒息を契機に短期間に二度の気道緊急を起こした1例

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タイトル別名
  • A case required emergency airway management twice in a short period due to food choking
  • ショクモツ チッソク オ ケイキ ニ タンキカン ニ ニド ノ キドウ キンキュウ オ オコシタ 1レイ

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抄録

<p>症例は53歳,女性。食事中に一時的に窒息し,呼吸困難が出現したため救急要請となった。食物刺激による喉頭痙攣で気道狭窄を生じ,換気不全をきたしていたため経口気管挿管を行った。喉頭痙攣発症後17時間でカフリークテスト陰性を確認して抜管したところ,喉頭浮腫での気道狭窄が経時的に顕在化し,呼吸促迫したため抜管後7時間で再挿管した。窒息時の強い陰圧によって生じた上気道の粘膜損傷が喉頭浮腫の要因の一つと考えられた。本症例は一度の食物窒息を契機に,短期間で喉頭痙攣および喉頭浮腫により二度の気道緊急を起こした。一般的な喉頭浮腫に関しては低リスクでも,気道粘膜の点状出血など粘膜損傷の所見を認める場合,喉頭浮腫の可能性を考慮し,抜管前の喉頭ファイバーでの上気道の評価を検討する必要がある。また気道緊急において安全な医療を提供するため,初療の教育とバックアップ体制の構築を行い,各科医師と連携することが重要である。 </p>

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