粘液層を除去するロボットカプセルを用いたバイオ医薬品の経口吸収性改善

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Abstract

消化管のうち,薬物吸収に対する寄与が最も大きいのは小腸である.小腸では多数の絨毛や微絨毛を有する上皮細胞が管腔側表面を覆い,表面積が極めて大きくなっているため,薬物吸収において有利な構造を有していると言える.しかし小腸は,食物と一緒に細菌やウイルスなど外部からの異物が侵入しやすい環境でもあるため,異物の攻撃から身を守るために様々なバリアを形成している.1つ目は異物をトラップし上皮細胞へ到達することを防ぐ粘液層バリア,2つ目は豊富な酵素で異物を分解する酵素バリア,3つ目は水溶性物質や高分子物質の侵入を妨げる膜透過バリアである.薬物も異物の一種と認識されるため,水溶性高分子であるバイオ医薬品はこれらのバリアに吸収を阻まれ,バイオアベイラビリティが低くなってしまう.本稿では,経口摂取型ロボット薬物送達デバイスのロボキャップ(RoboCap)を利用し,バイオ医薬品の経口投与の可能性を見いだした論文を紹介する.<br>なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.<br>1) 秋吉一成,辻井 薫監修,リポソームの応用の新展開~人工細胞の開発に向けて~,2005,pp. 612-617.<br>2) Srinivasan et al., Sci. Robot., 7, eabp9066(2022).

Journal

  • Farumashia

    Farumashia 59 (9), 867-867, 2023

    The Pharmaceutical Society of Japan

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390297305329142784
  • DOI
    10.14894/faruawpsj.59.9_867
  • ISSN
    21897026
    00148601
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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