土地重課税制度が譲渡益に与える影響

書誌事項

タイトル別名
  • Impact of the Surtax on the Capital Gain for Sale of Lands

説明

本稿の目的は,土地の譲渡益に対する重課税制度が,土地の価格に与える影響を実証的に明らかにすることである。昭和48年,投機目的の土地の売買による地価上昇抑制のため,土地の譲渡益に対して通常以上の課税を行うという重課措置が講じられた。本稿では,この重課税制度を軸として,土地の譲渡益に着目し,上場企業の土地保有戦略について検証する。この検証は,重課税措置による企業行動を観測するだけでなく,税制上の優遇措置の施行において議論される伏在税(implicit taxes)の存在を指摘するものであり,税制に起因した資産価格の上昇(下落)の実態を解明することも本稿の目的とする。分析の結果,重課税制度の施行アナウンス後の期間において,企業全体として譲渡益を低く計上していることが明らかとなった。この結果は,重課税制度の施行が,土地の駆け込み売却すなわち供給の増加を引き起こし,結果として地価が下落した可能性があること,すなわち重課税制度が土地という資産価格の低下を招いているという可能性を示唆している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390297305329178112
  • DOI
    10.34605/jaa.2023.24_41
  • ISSN
    24359947
    21896321
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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