下刈り方法の異なるスギ若齢林において植栽密度が植栽木と競合植生の成長に与える影響

  • 野口 麻穂子
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所
  • 齋藤 智之
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所
  • 酒井 敦
    国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所
  • 青山 岳彦
    東北森林管理局森林技術・支援センター 宮城県北部地方振興事務所

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Planting Density on the Growth of Trees and Competing Vegetation in Young Sugi Plantations Treated with Different Weeding Methods
  • シタガリ ホウホウ ノ コトナル スギ ジャクレイリン ニ オイテ ショクサイミツド ガ ショクサイモク ト キョウゴウショクセイ ノ セイチョウ ニ アタエル エイキョウ

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抄録

<p>低密度植栽は,植栽経費の削減につながる一方,林冠閉鎖の遅れに伴う競合植生の繁茂が植栽木の生育を妨げることが懸念されている。植栽密度がスギ植栽木と競合植生の成長,および両者の競合状態に与える影響を明らかにするため,異なる下刈り方法を含む東北地方の4カ所のスギ若齢人工林において,植栽木の樹高および樹冠幅,競合植生の高さ,植栽木と周囲の植生の競合状態を調べた。全刈りに加えて10年生時の除伐を行った11年生の林分では,植栽密度が植栽木の樹冠幅に負の影響を及ぼしており,植栽木間での競争が反映されていると考えられた。植栽密度と競合植生高の間には負の関係がみられたが,植栽密度が低くても植栽木は競合植生に覆われず,成林が見込まれる状態にあった。一方,筋刈りを行った6~7年生の林分では,植栽密度が低いと植栽木の樹高,樹冠幅とも小さく,競合植生に覆われている植栽木の割合も高かった。筋刈りでは,植栽密度が低いほど刈り残し部分の幅が広くなり,その部分で繁茂した競合植生によって植栽木が覆われ,成長が妨げられていると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 日本森林学会誌

    日本森林学会誌 105 (9), 291-297, 2023-09-01

    一般社団法人 日本森林学会

参考文献 (10)*注記

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