複数夜で評価した寝具印象と客観的主観的睡眠状態との関係性の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Relationships between Bedding Impressions and Objective & Subjective Sleep States Evaluated on Multiple Nights for the Same Individual
  • フクスウヤ デ ヒョウカ シタ シング インショウ ト キャッカンテキ シュカンテキ スイミン ジョウタイ ト ノ カンケイセイ ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

本研究は,統制環境下で複数夜実施した睡眠計測実験から得られた,同一寝具環境に関する印象評価の各因子と,客観的な睡眠指標や主観的な睡眠感との関係性について検討することを目的とした。対象者は睡眠に関する問題のない若年成人男性20 名で,そのうち15 名の各5 夜分の記録を解析対象とした。25 項目の形容詞対で構成される印象評価質問紙を自作して因子分析を実施し,得られた各因子得点と客観的睡眠状態や主観的睡眠感との相関を解析した。結果として,寝具環境に関する印象評価は3 つの因子が抽出され,“寝具親和性” “寝具物性” “明視性” と解釈した。相関分析の結果,第一因子(寝具親和性)では起床時の主観的睡眠感と有意な相関がみられ,第二因子(寝具物性)では Stage 3 に関連する客観的睡眠状態との有意な相関がみとめられたが,第三因子(明視性)と睡眠感や睡眠状態との相関はみられなかった。これらの結果は,先行研究では言及されてこなかった手法によって,寝具印象評価についての新しい知見をもたらしたと考えられる。

収録刊行物

  • 睡眠と環境

    睡眠と環境 16 (2), 10-19, 2022-12-31

    一般社団法人 日本睡眠環境学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ