パッシブ・マイクロレオロジーの理論と実際-拡散波分光法を例として-

  • 印出井 努
    北海道大学大学院先端生命科学研究院
  • 成田 哲治
    ソフトマター科学工学研究室,パリ市工業物理化学大学院大学およびフランス国立科学研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Theory and Practical Application of Passive Microrheology-Diffusing-wave Spectroscopy Microrheology-

抄録

<p>パッシブ・マイクロレオロジーは,エマルション,ミセル,高分子溶液,ゲルなどに代表されるソフトマターの粘弾性を,光学的に測るレオロジー技術である。パッシブ・マイクロレオロジーでは,媒質内に微小なプローブ粒子を分散させ,それらのブラウン運動の平均二乗変位を観測することで,媒質の線形粘弾性を見積もる。ブラウン粒子の平均二乗変位は,一般化ストークス・アインシュタイン関係式を使って媒質の動的弾性率に変換される。この総説の前半では,パッシブ・マイクロレオロジー法の基本概念と一般化ストークス・アインシュタイン関係式の導出法を簡潔に説明する。プローブ粒子の平均二乗変位を測る方法は幾つかあるが,なかでも拡散波分光法は高周波領域における線形粘弾性の測定を可能にする重要な技術である。後半では拡散波分光法の原理を解説したのち,拡散波分光法を利用したパッシブ・マイクロレオロジー法の例をいくつか紹介する。</p>

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 23 (9), 483-489, 2023

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (27)*注記

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