中国「双循環新発展格局」の政策展開 -先行研究による考察-

書誌事項

タイトル別名
  • Chinese National Economic Policy Development on “New Development Pattern of the Dual Circulation” : A Study based on Previous Research
  • チュウゴク 「 ソウジュンカン シン ハッテンカクキョク 」 ノ セイサク テンカイ : センコウ ケンキュウ ニ ヨル コウサツ

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抄録

中国で、双循環新発展パターンの提言が行われ、2021年3月には、第13期全国人民代表大会第4回会議において、「第14次5カ年計画と2035年展望目標要綱」が採択され、双循環新発展パターンの構築は国家経済政策の方針・戦略となり、現在推進されている。  双循環新発展パターンの構築がなされた背景には、中国における加工貿易からの脱却と国内循環を行える条件が整ってきたことがあげられ、また双循環新発展パターンはこれまでの中国における発展戦略の調整であり、中国における国際投資ポジション構造の改善も双循環新発展パターンの背景にあるといわれている。この他に、米中対立における対抗策の一環という性質ももっているという見解も示されている。  中国においても、経済学者が双循環新発展パターンを論じており、双循環新発展パターンにおける国内循環を主体とするという意味は、中国における鎖国を意味するものではなく、むしろ国内・国際双循環の相互促進で示しているように、対外開放については基盤整備の構築をさらに向上させていくという主張があるものの、国内循環の実現には都市と農村地域の発展に関する課題を指摘するものもみられる。  双循環新発展パターンの構築においては、流通システムや全国統一市場問題について提言が行われているが、国内循環の実現のためには、流通システムの効率化・高水準化、全国統一市場問題の解決が重要であり、その方面での課題が残されている。

収録刊行物

  • 国際経営論集

    国際経営論集 (65), 1-16, 2023-03-31

    神奈川大学経営学部

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