文献情報に基づく日本産タナゴ亜科魚類における国内外来種の分布状況

  • 伊藤 玄
    龍谷大学生物多様性科学研究センター NPO法人流域環境保全ネットワーク
  • 北村 淳一
    NPO法人流域環境保全ネットワーク 三重県総合博物館
  • 谷口 倫太郎
    岡山大学大学院環境生命科学研究科
  • 熊谷 正裕
    土浦の自然を守る会

書誌事項

タイトル別名
  • Distribution records of domestic alien bitterling fishes based on the literature
  • ブンケン ジョウホウ ニ モトズク ニホンサン タナゴ アカギョルイ ニ オケル コクナイ ガイライシュ ノ ブンプ ジョウキョウ

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抄録

<p>タナゴ亜科魚類(以下、タナゴ類)は純淡水魚であり、日本においては 3属 11種 8亜種からなるグループである。本グループの全種が環境省あるいは地方公共団体のレッドリストに掲載されている絶滅危惧種であると同時に、多くの種が国内外来種となっている。婚姻色が美しく多様であり愛玩動物や釣りの対象魚としても人気が高いことから、意図的と思われる放流が各地で確認されている。本論文では、在来タナゴ類の生息域内保全を目的として、国内外来種の分布情報や駆除事例、定着状況を文献から網羅的に整理した。その結果、 14種において移植情報が確認された。そのうち、イチモンジタナゴの記録が 19県と最も多かった。また、カネヒラ、ヤリタナゴ、シロヒレタビラ、アブラボテにおいても、 10都道県を超える確認情報が得られた。特に在来種の少ない東北地方において移植事例が多く見られた。その一方で、国内外来種の駆除については確認することができなかった。移入先における定着状況から、国内外来種の河川や湖沼における定着の可能性と在来種への生態的影響について考察した。また、国内外来種の移入要因を整理し、移入対策について検討した。</p>

収録刊行物

  • 保全生態学研究

    保全生態学研究 28 (1), n/a-, 2023-07-05

    一般社団法人 日本生態学会

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