皮膚線維腫と黄色肉芽種との鑑別を要した 1 例

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  • A Case of Dermatofibroma Requiring Differentiation from Xanthogranuloma

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抄録

<p>42歳,女性。 1 年前より左前腕に小結節を認め緩徐に増大傾向にあったため当科を紹介受診した。 初診時直径 10 mm 大の表面やや角化を伴ったドーム状に隆起した弾性硬の褐色小結節を認め,全摘手術を施行した。真皮浅層から深層にかけて球状の腫瘤を認め真皮直下では組織球が密に集簇し,Touton 型や異物型の多核巨細胞が多数見られ,また泡沫様細胞も混在し黄色肉芽腫と類似していた。真皮深層では巨細胞はみられず,花むしろ模様に紡錘形の核をもった細胞の増殖を認めた。 CD68 染色は両部位で陽性であったが,表皮直下の真皮浅層では染色様態が円形に近く,真皮深層では紡錘形に染色された。Factor XIIIa は真皮深層でははっきりと陽性であったが,真皮浅層の泡沫様細胞のみられる部位では染色が減弱していた。皮膚線維腫と黄色肉芽腫との鑑別について,これらの 2 つの腫瘍は共通した発生母地が存在するのではないかと考えた。 (皮膚の科学,22 : 104-108, 2023)</p>

収録刊行物

  • 皮膚の科学

    皮膚の科学 22 (2), 104-108, 2023

    日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会

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