母児間輸血症候群により両児とも重症貧血となった一絨毛膜二羊膜双胎
書誌事項
- タイトル別名
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- Severe anemia caused by fetomaternal transfusion syndrome in both in monochorionic-diamniotic twins
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抄録
<p> 母児間輸血症候群により両児に重度の貧血を来した一絨毛膜二羊膜双胎を経験した.双胎間で羊水量の差はなかった.妊娠35週6日より胎児心拍陣痛図でI児にsinusoidal patternを認め,胎児中大脳動脈最大血流速度の上昇があり,II児に胎児水腫の所見を認めたことより双胎間輸血症候群疑いで,妊娠36週4日に緊急帝王切開となった.第1子はHb 3.7g/dL,第2子はHb 4.2g/dLと両児に貧血を認め,母体HbF 9.0%と上昇しており,母児間輸血症候群と診断した.緊急的な赤血球輸血により両児ともに全身状態は安定した.退院前の頭部MRI検査で異常はなかったが,現在3歳となり両児とも運動発達遅滞を認めている.一絨毛膜二羊膜双胎の母児間輸血症候群は,胎盤を両児が共有しているため,一児だけでなく,両児に重度の貧血を生じる可能性があり,胎児貧血を疑う場合は早期の娩出を検討する必要がある.</p>
収録刊行物
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- 日本周産期・新生児医学会雑誌
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日本周産期・新生児医学会雑誌 59 (2), 289-293, 2023
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390297382515247488
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- ISSN
- 24354996
- 1348964X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可